留守番の日々

お姉さんがやっと帰ってきた。僕をおいてずっと学会に行っていたらしい。今回も僕は留守番をさせられた。連れて行けと何回か交渉したが、学会だからしょうがないでしょ、などと言い訳をしている。本当は仕事ではなく、僕とはなれてバカンスを楽しんだに違いない。だから僕に申し訳なくてあまり僕と話もしないわけだ。
嘘をついてハワイにバカンスに行っているとしたら絶対に話のつじつまがあわなくなるだろうから僕は「疲れている」と言い訳しているおねえさんから過去1週間の話を聞きだした。

  • お姉さんの学会

お姉さんはInternational Veterinary Behavior Meeting (IVBM)と American Veterinary Medical Association (AVMA) の学会に出てきたらしい。ミネソタ州ミネアポリスというところにいたといっていた。ミネソタ州はハワイ島のひとつだろうか。あとで調べてみよう。
お姉さんの話によると、今年はアメリカ獣医学会と国際獣医学会がミネソタで同時開催だったそうだ。普通はアメリカ獣医学会だけ出て5日間くらいで帰ってくるのに、今回は1週間以上も留守にしていた。お姉さんはアメリカでおねえさんと同じように行動学の勉強している研修医たちや専門医たちと会い、久しぶりに楽しかったらしい。そして今回は国際獣医学会も一緒だったから日本から行動学を勉強されている日本人獣医師たちとも色々お話ができてすごく刺激を受けてきたらしい。
お姉さんはIVBM学会の3日目に発表があって、「発表前もう吐きそうになったわよ〜」などと汚い事を言っていた。お姉さんが「吐きそう」ということは、何かミネソタで拾い食いをしたのだろうか。あんなに拾い食いはいけないと僕が教えているのに。。。お姉さんは発表のあと、”You are funny”というコメントを頂いてきたらしい。おねえさんはしきりに、「すばらしい研究だ」とか、「立派な発表だ」とか言うコメントでなく、「お前はおかしな奴だ」というコメントをもらったことに憤慨している。僕は皆様の目が正しい判断力を持っていると思っている。