一昨日、お姉さんに追い掛け回されて、ブチューっと蚤殺しと予防の薬を首根っこにつけられた。このアメリカ産の薬はくさくていやなのだ。Advantageという薬だ。つける人間の注意書きに手袋をしてから猫につけてくださいと書いてある。人間が手袋をしなくてはいけないくらいの劇薬を僕というか弱い猫につけているのか、お姉さんは。ひどい人だ。僕はお姉さんに虐待されているかわいそうな猫である。
最近お姉さんがお友達のお家に影響されて、アメリカンな装飾に懲りだした。クリスマスということで、お友達に譲ってもらったツリーに飾るような豆電球を部屋の壁に張り巡らせて電気をつけている。さらに、キャンドルをともして楽しんでいる。しかし、電球とキャンドル以外は、本と、紙くずと猫のおもちゃの散らかっている殺風景なアパートである。きれいに整理整頓されていて、かわいい置物がきれいに並んでいるお友達のアパートとはまったく違うのだ。お姉さんのアパートは、ごちゃごちゃと細かいものが散らばっている中にろうそくがともっている。何かやはりしっくり来ない。お姉さんはインテリアの才能が全くないらしい。