5日前

帰国までのカウントダウンが5日になりました。帰国をずっと楽しみにしていたのですが、このアメリカでできた友達たちと簡単には会えなくなるという事実は寂しいものがあります。
アメリカにいて10年以上、長かったような、でも今思うと一瞬だったような気がします。最初の2-3年は夢に見ていた外国での生活とすべてが新しいことに興奮状態でした。英語での生活や勉強が大変でしたが、それなりに楽しんで仲間たちと勉強の苦しさを分かち合いました。
ところが長くいるようになると、アメリカという国の悪いところがはっきり見えてきて、私はこの国には所属していないとはっきり感じるようになりました。私は日本人であるということをすごく考えるようになりました。こういうことは日本にずっといたら考えることもなかったでしょう。そういう意味で外国で暮らすというのは人生の中のおいしいスパイスになった気がします。長くいるうちに英語の細かい意味まで分かるようになり、表面やさしい事いっているけれど、この方、外国人の事馬鹿にしているなー、という方にもかなり会いました。馬鹿にしているようになってしまうのは、決してそれを言った本人のせいではなく、アメリカの政治、宗教、全体に見られる極端な個人主義の考え方のためだ、ということも分かってきました。特に今のブッシュ大統領になって、宗教色が濃くなってから外からの人間に対する排他的な感情は表にむき出しにならないものの、じわじわと感じる機会が増えました。もちろん個人的に友達になると、個々の付き合いになるので、国籍を超えて心から付き合いますが、ちょっとすれ違ったり、席を隣になるくらいの関係ですと、やりにくさを感じるときがあるのです。
10年たち、やはり、私は「外からの人間」としてアメリカという国にずっといることを選びませんでした。日本に帰るというとよくアメリカ人に言われるのは、「何故?」「いいの、日本なんかで?」「ビザのせい?」という台詞。あくまでもアメリカ中心、アメリカが最高と思っていらっしゃるので、外国人は皆アメリカにいたほうがいい(幸せなはず)という意見なのでした。
日本に帰ったら多分逆カルチャーショックを味わうと思います。とんでもないことをいったり、しでかす可能性も大きいと思います。大丈夫かな、と心配ですが、やはり、生まれ育った日本は私の原点なので、今帰国することに後悔はありません。帰国してまた自分を見直します。そんなわけで、もうすぐ生まれ育った国、愛する家族のいる国に戻ります。
楽しみです。