仕事場で

午前中は授業に出ていたために、午前中に来た雷恐怖症の犬の症例は診れませんでした。
ジョージアは1年のうち10ヶ月くらいは雷の季節なので、雷恐怖症の症例が増えています。これからもどんどん増えるんだろうな〜。

午後は、6ヶ月の仔犬の症例が来ました。飼い主さんや、なでようとしてきた人に噛み付くから、何とかその行動をやめさせたいという症例でした。エスキモー犬のかわいい真っ白な仔犬です。飼い主さんは生後8週間でカリフォルニアから空輸してもらったといいます。もらわれてくるなり、飼い主さんが足を拭こうとしたら噛み付いてきたそうです。また結構いい血統を持っているワンちゃんなので、ショウリング(犬の品評会ですね)で見せているときにジャッジ(審査官)の人に触られた際に審判に噛み付いたらしいのです。
こんな攻撃行動のある犬どうしようといろいろなトレーナーさんに聞いて周ったところ、6ヶ月にして「優位性攻撃行動がある、飼い主さんがきちんと犬の上位に立って指導しなくてはなめられます」といわれ、いわゆるアルファーロールとか、チョークチェーンで痛みを与えて飼い主さんがリーダーであることを知らせろとか、めちゃくちゃなことを言われたらしいのです。結果的に、犬はますます攻撃するようになったのですが。。。賢い犬です。
まともに動物行動学を勉強していたら、6ヶ月の子犬は群れのアルファーにたつだとか、飼い主がアルファーロール(仔犬をひっくり返しておなかを無理に見せさせ、床に押さえつけるテクニック、人間の優位行動を示すものといわれているが、まったくのでたらめ。。。)をして力でコントロールするとかが、どんなに非科学的でナンセンスなものか分かるはずなのに、専門家といわれる人たちがめちゃくちゃなアドバイスを与えているのです。
おかげさまで、飼い主も仔犬も混乱してしまって、私たちが商売できるのですが。。なぜ、犬と人はパック(群れ)で、人は犬の優位に立たないといけないなんて、動物の種も、行動学も、人間は犬ではないしいぬは人間ではないという常識も無視した理論が成り立っているのか、理解に苦しみます。はい。