Dr.R.と日本語

Dr.Rは上記に出てきている外科の専門医です。私とほとんど同い年なのに、外科でバリバリやっているかっこいい女性です。Dr.Rはとっても頭がよく、頭の回転も速いけれど、記憶力も抜群です。
Dr.Rは今年の2月、日本に招待されて1週間日本に行っていました。そこで、日本語をちょっと覚えてきたらしいのです。せっかくだからと日本語を外科手術の最中に使い出しました。
“Nurse!”といって、(動物の)看護士さんを呼ぶのはなんとなくいやだからという理由で、人手がほしいとき、あるいは手伝いがほしいときは、”Kon-nichiwa!”と騒いでいるらしいのです。それも大声で。ある日、病院で、日本人である私は、Kon-nichiwaだけじゃなんだからということで、看護士(nurse)のことを何というのか、聞かれたのです。瞬間にして聞かれたので、とっさに名詞でなく、動詞のnurseを訳しました。”It’s jyu-nyuu”. そうです。「授乳」と答えました。そして、今、若きかっこいい女性外科医は手術室で、「じゅにゅー!!!」と叫んでいます。私は間違ったということが分かった瞬間に”Kangoshi”と言い換えたのですが、頭のいい人は一発で新しい言葉を覚えてしまうものなのですね。そのうち、”oppai”という言葉をどこからかきいてきて、いまや、”Oppai de jyunyuu”と手術室で騒いでいるそうです。
二つの日本の獣医大学から2週間実習でやってきている学生さんたちがまた新しい言葉を教え込んでいるようです。アメリカ人の学生さんも手伝っているようです。私は、”baka”, ”oshiri”とか、”ketsu”とかいう日本語を彼女の口から職場で聞きます。頭のいい人は発音も結構まねできるのです。
ジョージア大学獣医教育病院の小動物外科にいらっしゃるときは、妙な日本語のシャワーを浴びるかもしれません。教えているのは私だけではありません。誤解なさらないでください。