またやられた。先週の木曜日今度はツナ缶を開けたお姉さんの甘い声とツナにだまされて猫キャリアーの中に入ったら、そのままふたを閉められてお姉さんの職場に強制連行。朝からほかの猫や犬がたくさんいる小さい部屋の中の檻のひとつに閉じ込められた。にゃー、とないて抵抗したがお姉さんは僕を閉じ込めてどこかへ行ってしまった。僕の正面には大きな犬が寝そべっていた。エルロイという犬で、お留守番させると2階の窓を破って脱出する犬らしい。たくましいな。僕の隣には背中の骨を折ってしまった犬がその日の手術を待っていた。僕はどうして檻の中ににいるのかまだわからない。非常に不安だった。
1時間くらい檻の中で寂しくしていただろうか、急に獣医の学生さんに檻から出され、そのまま抱っこされた状態で、診察室という所に連れて行かれた。お姉さんに抗議しようにもお姉さんの姿かたちは見当たらない。僕が獣医の学生さんに身体検査などといわれながらいじくりまわされていたら、ドアの隙間からお姉さんがのぞいていた。そしてお姉さんはそのまま僕を置いてまた姿を消した。お姉さんは僕が彼女を必要なときに僕を助けてくれない。ひどいやつだ。
身体検査の後、「ぶすっ」と注射器を突き立てられて、僕の狂犬病のワクチン注射は終わった。
その後夕方の6時ころまで僕はまた檻に閉じ込められたのだ。ひどい1日であった。もう絶対にお姉さんの職場には行きたくない。