僕の願いがかなった。ある日の朝、僕より早く起きたお姉さん(珍しい)がなにやら忙しくしていた。僕を無視して色々Ziggyの世話をしている。Ziggyとは僕の天敵で、ルイジアナ州ニューオリンズがハリケーンカタリナに襲われたときに被災した犬なのである。飼い主さんと別れ別れになったらしく、お姉さんが飼い主さんがZiggyを探し出すまで預かっていたのである。Ziggyが来てからと言うもの、僕がちょっとでもZiggyが住み着いている台所に近づくと吠えられるし、お姉さんもZiggyとばっかり遊んでいる気がする。問題の日の朝、お姉さんはZiggyの荷物をまとめて車に積み込み、Ziggyまで連れて家を出た。残されたのは、僕とからのZiggyのご飯皿だった。またも僕は置き去りである。
夜になってお姉さんは帰ってきたがZiggyは帰ってこなかった。夜中になってもお姉さんがZiggyをつれて帰ってくる気配はない。夜おそくになってお姉さんはZiggyの使っていたお皿や布団を片付け、台所の掃除をしていた。1時間後には、Ziggyが来る前の僕の台所に戻っていた。
やった!僕は早速台所のカウンターを走り回って冷蔵庫の上に飛び乗り、アパートの中で1番高い台所の食器棚の上まで上って王様気分でアパートを見渡すことができた。Ziggyがいないとはいいことだ。
お姉さんいわく、ZiggyZiggyの本当のうちに帰ったらしい。飛行機に乗って行ったらしい。僕も今度飛行機に乗ってみたい。