バターのおいしさ

食われたバター

僕はバターをなめるのが好きだ。猫なら当然皆バター大好きだ。しかし、お姉さんはそれを知りながら僕にバターの塊をおやつとしてはくれない。普段バターは冷蔵庫に入っているため、僕は大きな冷蔵庫の中のバターをちょっと見て拝むことしかできない。しかし、この前の金曜日、バター様がボールの中に入った状態で、電子レンジの上に放置されていた。普通電子レンジの上はバランスが悪いからよじ登ってボールの中の物を食べないのだが、あまりに長い間放置されていたから、ボールのほうまで首を伸ばした。届くかもしれない。ちょっとレンジの上に乗ってみた。そんなにバランス悪くない。お姉さんの気配はない。どうもコンピューターに夢中になっている。
そっとバターに口をつけた。「うまい!」ちょっと食させていただいた。非常にうまかった。顔がとどく範囲をかじった後は、ゆっくりと昼寝をした。
お姉さんがずいぶん時間がたってからわめいている。「ちょっと、これクッキー焼くためなのよ!」といっているが、僕は知らん顔をしていた。お姉さんは証拠写真を取って僕に有罪判決を下すつもりらしいが、僕はとぼけるつもりである。