猫の飼い方

写真は3年生の獣医学生さんのねこちゃんです。情けないことに名前を忘れました。このニャンちゃんまだお若いのです。小太郎より肌の張りが違いますね。え?さて、この猫ちゃんの飼い主さんは2ヶ月ほど前に私の居候する行動診療科にきました。彼女が言うには、飼い猫ちゃんが凶暴で困るとのことです。彼女が学校から家に帰るとニャン子は飛び掛って噛み付くそうなのです。落ち着いて本も読めない状態だったそうです。やめさせるために、水鉄砲で猫ちゃんの行動を罰していたらしいのですが、猫ちゃんは水鉄砲に余計興奮して手がおえなくなったのだそうです。
そこで、相談を受けたのですが、そのとき忙しかった私は、「ビデオで猫ちゃんの行動を撮ってきて、あと、興奮してとびかかってっきても無視しなさい、そのうちうやめると思うから」といったのでした。若い猫でしたし、きっと飼い主さんと遊びたくて、でも正しい遊び方を知らないから飛び掛っているのだろうと思っていたのです。1ヶ月くらいたって、また飼い主の彼女が訪れてきました。猫との戦いはまだ続いているとのこと。。。
そこで、時間のあった私は彼女を座らせ、周りにいた学生さんたち(そのとき私は4年生の獣医学生さんのラウンド実習をしていたので)を引きずり込み、ラウンド学習の一環として行動診察インタビューを始めたのです。
インタビューの結果、分かったことは、この猫ちゃん、猫のおもちゃが全く家になかったので、人間が帰ってくるとエネルギーのすべてを飼い主さんの彼女にぶつけていただけのようでした。ねこって、座布団にごろーんとして何もしないように思う方も多いですが、猫もれっきとした社会動物、他の猫と遊ぶし、獲物をとってきたり、木に登ったりもします。飼い主が留守の間寝ることしかできない猫は、飼い主が帰ってくると、遊びを要求します。その遊びの誘いに答えないと。。。勝手に人を使って遊びだすのです。小太郎はずいぶん年を食ってきているので、遊びも激しくなくなってきましたが、子猫ちゃんの場合はかなり激しい遊びをしたがります。
結局、4年生の学生さんたちと色々な猫のおもちゃや猫との遊びを伝授し、その日、飼い主である彼女は、猫のおもちゃ開発に向け家路に着いたのでした。
1週間後、飼い主の彼女がくれた写真です。なんと色々工夫して、今や彼女のうちは猫の遊園地と化しているようです。そして猫ちゃんは飼い主さんとおもちゃを使って遊んでいるそうです。
めでたし、めでたし。