動物園のOtterくん

写真は以前にお話しした(5月5日の日記)アセンズ市(ジョージア大学のある市)の動物園で飼育されているRiver Otterくんです。この動物園の管理人さんはあまり動物の健康や幸せについて考えてくれない人なので、困り者ですが、この動物園の動物たちの健康管理を買って出ているジョージア大学獣医学部エキゾチックアニマル診療科の先生が、診療を楽にするために行動学診療科の私たちにトーレーニングや環境エンリッチメントについてきいて来ました。環境のほうは今はできない状態ですが、トレーニングのほうはすぐにでも何とかならないか、ときいて来ました。問題は動物に麻酔をかけるのに、今の状態では危険が多すぎるからなのです。動物たちは半年に1回の健康診断のたびに麻酔銃で追っかけまわされ、診察できるまで時間がかかるのと、動物も思いっきり逃げた後に麻酔銃で撃たれるので、それは体によくないのです(下手したら麻酔かけたときに死んでしまいます)。まずはOtter君たち、人が注射器を持って近づいたら口をあけて麻酔薬を口に入れられるように訓練するにはどうしたらいいか聞かれました。課題はotter君だけでなく、にげまどう鹿、檻に入らないくま、に対しても同じように動物にも人間にも楽に麻酔をかけるためにどう訓練していけばいいかきかれてるのです。
動物園動物の環境エンリッチメントとトレーニングを考えるためのいい課題となるので、行動学診療科に回ってくる獣医の4年生の学生さんたちに色々なアイディアを出してもらっています。飼育のボランティアが餌場に来る度に注射器でトマトジュースなどの好物を注射器で与えたらどうか、など色々な意見が出ています。今のところまだ成功していないようですが。。トレーニングには時間がかかります。
動物の安全と幸せ、絶滅しかけている動物の場合はその動物の保存と研究、そして観に来てくださるお客様への教育と娯楽、すべてを満たすよう、よい動物園は色々考えています。こういうプロジェクトに私ももっと参加できるようになるといいのですが。。