分離不安症、お留守番が怖い。。。

昨日いらした飼い主さんのビションフリーゼの男の子は7歳なのですが、ナント過去6年間飼い主さんがうちにいないあいだ、家中あちこちにおしっこをしているという症例でした。飼い主さんが事前に書いてくださったヒストリー(病歴)の紙には、「家中がまっ黄色です、助けてください」とかかれていました。このワンちゃん、お留守番が怖くてどうもお留守番をさせられるたびにおしっこをしてしまうという子でした。通常おしっこをあたりかまわずしてしまう動物が来る場合尿検査を受けていただきます。このワンちゃんは尿検査で、膀胱炎の疑いもあるということが分かりました。昨年の12月から膀胱炎の治療は受けているのですが、家の中でのおしっこは回数は減ったもののまだ止まらないのです。わたしたちは、膀胱炎も問題であるけれども、分離不安症もあって家の中でおしっこをしてしまうと診断しました。
分離不安症は結構よくみられる問題行動です。今回のワンちゃんはおしっこをしてしまう子でしたが、留守番をさせると家の中の家具をかんでしまう子や、ドアや窓を壊してしまう子などもいます。トレーニングの問題とおっしゃる方も多いようですが、これは立派な不安症の1つです。
今回のワンちゃんの飼い主さんにはこのワンちゃんを落ち着かせてあげるための薬の処方(抗不安・抗鬱剤)をすすめ、薬が効いてワンちゃんが少し落ち着いて学習ができるようになったら行動療法を始めるようにお話しました。
社会性動物である犬や猫は家族である私たち飼い主がいなくなると不安に思うものなのです。治療も同じですが、予防として、「いってきます」「ただいま」の挨拶はしないようにすること(挨拶することで、動物が不安感を増します)、おやつの入ったおもちゃを出かける15分くらい前にあげて、動物が必死でおもちゃからおやつを出している間こっそり家を出たりすることをお勧めしています。
小太郎もマイルドな分離不安猫です。彼は私が出るとき隠れます。いまは彼の好物であるミルクを少し与えておき、彼がわき目も振らずにミルクに集中している間にそっと家を出ます。大きく目玉を見開きながら隠れる「わが子」はかわいそうで、みたくないですもの。