お姉さんはかりんとうでなく、まじめな話を

小太郎はかりんとうで興奮していますが、私はまともな日記を書きましょう。昨日職場で急にポケベルをならされました。表示された番号に電話をすると、病院の救急医からの電話でした。現在来ているワンちゃんを安楽死するにあたって、ちょっと質問があるのだけれど、来てくれるかな、といわれました。
安楽死されるワンちゃんはもうかなりのお年で、おなかの中にある腫瘍がかなり大きくなってしまって心臓病も悪くなっているから、ワンちゃんが苦しむ前に、飼い主さんは安楽死を選んだそうです。このワンちゃんには仲良しの同居ワンちゃんがいて、安楽死の瞬間を仲良しワンちゃんに見せた方がいいのか、家族の一員としてみなで見守った方がいいのか、それとも見せない方がいいのかという質問でした。犬は私たちと一緒で社会性の動物です。近い関係にある社会の一員を失うというのは彼らにとっても私たち同様つらいことであり、仲のよい同居犬がなくなった後、残されたほうは食欲がなくなってみたり、元気がなくなったりすることはよく見られます。
科学的に証明はされていませんが、死んでしまうところや死んでからのにおいを同居犬に嗅がせる方がどうも同居犬としては納得がいきやすい、ということを聞いたことがあります。確かに、野生で生きている社会動物は仲間が死んだときは、きっとにおいをかぎ、今までとは違う仲間であった個体の臭い、動かない事実を体験して納得するのかなとも思わされます(死んでしまった子馬を母馬はしばらくの間臭いをかぎ、動かしてみてそのうちあきらめるという事実はあります)。というわけで、相談を受けた症例に対し、同居犬を連れてきてもらって目の前で安楽死していただき、死体の臭いも同居犬に嗅がせてあげるというアドバイスをしました。それでも同居犬は仲間のいなくなった事実に落ち込むこともあると思われるので、しばらくは、なるべく同居犬に気を遣ってあげるようなアドバイスを差し上げました(主に遊びやトレーニングをすることなど)。残されてしまった同居犬君がうまく悲しみ(ちょっと擬人化しているな。。)を乗り越えられるといいのですが。。。